デジタルフィルタの不思議(その2)
さて、高次フィルタの設計ですが、これが実はかなり厄介なのです。前回、お見せした簡単なデジタルフィルタの例は、一般的にいうとIIR (Infinite Impulse Response) の1種で、IIRフィルタの代表的な構成例は以下の通りです。
この例は2次のフィルタユニットで、このユニットを縦続接続することにより、高次フィルタを比較的簡単に構成することができます。では、係数はどのように求めればいいのかということになりますが、これがちょっと面倒なのです。というのは、対応するアナログフィルタのモデルを決定し、そのS平面上での極とゼロを、Z変換によりZ平面上の極とゼロに変換し、さらに、その極とゼロを共役複素数ごとにまとめて、ユニットごとの係数を算出する必要があるのです。
このような手順を追って得られた係数により構成される8次チェビシェフLPFの周波数特性が下図です。TA Signal Processings の IIR Design Tool で作成されたものです。そのままでは、よく見えませんので、画像をクリックして拡大してください。
ここでは、振幅特性が水色で、位相特性が青で示されています。実は、基になったアナログモデルの振幅/位相特性が黄色と緑で表示されているのですが、デジタルとほぼ同じなのでほとんど見えません。つまり、この場合(サンプリング周波数44.1KHzに対して、遮断周波数1KHz)、Z変換による特性変化は無視できるくらい小さくなっています。
先ほど、手順をごく簡単に示しましたが、その内容を理論から解説すると、少なくとも数十ページにはなってしまいます。デジタルフィルタに関する書籍は結構ありますので、それを読んで、一からはじめるという手もありますが、「え、ラプラス変換!」と聞いて、ほとんどの人は戦意喪失してしまうと思います。しかし、心配は要りません。デジタルフィルタの係数を求めるソフトウェアあるいはサイトサービスがありますので、簡単かつ安価に係数を求めることができます。興味のある方は、まず、当サイトのソフトウェアページをご覧ください。
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